一見すると、デジタイズされたカット茄子というシンプルな静物画にみえる本作。
紫のグラデーションが、茄子にジュエリーのような質感を与えている。
ふと違和感に気づく。
カットされた茄子に、黄金然とした棒のようなものが刺さっていないだろうか。
厳密には、茄子に刺された棒もろとも、複数のピースにカットされているようにみえる。スライスされた茄子の中央の輝きは、棒の一部だろう。
これは・・・棒とナスのカット・・・・・・ボーナスのカットだ。
2022年は世界的に株式市場が下振れした。
ロシアによるウクライナ侵略に端を発するエネルギー価格等物価高騰、米FRBが1年間で4%を超える大幅な利上げを実施したことの影響が、主な要因と考えられている。
複数の大手投資会社によると、2023年は世界的なリセッション(景気後退)が懸念されているという。
不況が引き起こすボーナスのカットは、世のサラリーマンにとって悲劇であり厄災でもある。
なるほど、Recessionというタイトルの本作品は、Mooonyによる本年世界経済の風刺なのだろうか。
背景に重なる2枚のスクウェアと、さざなみのような薄紫光の描写が、やや陰鬱なテーマに幾分ポップな印象を与えている。
Mooonyはいつでもオプティミスティックなのだ。
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