「ようやく子どものような絵が描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ。」
20世紀を代表する天才画家、パブロ・ピカソが残した名言のひとつだ。
タイトルは「Tori」。
およそ成人が描いたとは思えない作風だが、本作を眺めていると、不思議と顔がほころんでいる自分に気づく。
キャンバスの中央に悠然と屹立するのは「鳥」であろうが、その種類は全くわからない。
力強い筆致で描かれた鳥らしきものの頭頂部に描かれているのは、鶏冠(とさか)だろうか。
ニワトリなどのキジ科の一部の鳥にみられる特徴だが、体色からみてニワトリではなさそうだ。
周囲にはオレンジやグリーンの何かと人の顔のようなものが散りばめられているが、これらが本作の可愛らしくポップな印象をさらにエンハンスしている。
つい目の前の仕事や家事に時間を奪われ、楽しむことを後回しにしてストレス社会を生きる現代人。
童心に帰ること。大人が子どもの頃の純粋で真っ直ぐな心に戻ることの大切さを、Mooonyは教えてくれる。
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